品質への取り組み
品質保証体制
食品の製造・販売は、「多くの方の命を預かっている」といっても過言ではなく、安全な原料を使用し、衛生的に製造することで、お客様にお届けするまで万全を期さなければなりません。
当社グループでは、社長直轄の品質保証本部を中心に、原料や資材、製造工程の諸問題に対応できる機能の充実を図っています。製造現場を中心にした品質事故防止活動、原料情報の一元化といった"品質を守る仕組みづくり"と、実際に行動していくための、従業員への教育研修を中心とした"品質を守る人づくり"を両輪とし、品質第一の理念と実行力を具現化できる体制をめざしています。
品質を守る仕組みづくり
安全な食品を製造していくためには、製品の品質を保証するための仕組みの整備が必要不可欠です。当社グループでは、1925年にマヨネーズの発売を開始して以来、独自の品質保証の仕組みを構築してきました。その仕組みをさらに強化するために、国際規格であるISO9000シリーズの認証取得し、継続して品質向上に取り組んでいます。
また、品質保証本部の専門の担当者が各工場を訪問し、品質保証の状態を確認する品質監査を毎年行っています。担当者とのやり取りを通じて、各事業所における品質改善事例の水平展開も行っており、グループ全体の品質の向上にもつながっています。
さらに2010年には「お客様視点巡回」も開始しました。お客様視点巡回は、役員をはじめ各部門の責任者が担当事業や職務の枠を超えて分担し、グループの全製造工場をお客様視点を基軸として訪問する活動です。確認項目の一覧表を用いて、訪問される側は事前に自主点検を行い、訪問者によるチェックと比較することで、客観的に強み、弱みを見極めます。この訪問は、品質に関わる仕組みをレベルアップさせるために活用されています。
ISO9001認証取得会社一覧
| 認証取得会社 | 取得 事業所数 |
認証取得会社 | 取得 事業所数 |
|---|---|---|---|
| キユーピー(株) | 13 | (株)エスワイプロモーション | 17 |
| (株)カナエフーズ | 10 | (株)キユーソー流通システム | 117 |
| キユーピー醸造(株) | 5 | キユーピータマゴ(株) | 15 |
| (株)ケイパック | 4 | 光和デリカ(株) | 1 |
| コープ食品(株) | 3 | (株)菜華 | 1 |
| (株)ディスペンパックジャパン | 4 | (株)ファミリーシェフ | 1 |
| 富士山仙水(株) | 1 | 計 | 192 |
| 2010年12月現在 | |||
品質を守る人づくり
どんなシステムやルールも、それを支える人がいてはじめて成り立ちます。「自分の大切な人に安心して食べていただきたい」という気持ちと、そのためのしっかりとした知識を備えた人が製造現場にいてこそ、品質は守られます。
そのため当社グループでは、食品法令や微生物についてなど、さまざまな専門カリキュラムが用意された、ものづくり大学を始めとする「品質カレッジ」が用意されています。製造現場から希望者が数多く参加し、受講後も情報交換を積極的に推進することで、製造現場からのボトムアップによる品質向上につながっています。
そうした、製造現場において自ら品質向上活動を実践し、推進している従業員は「クオリティサポーター」と呼ばれ、品質保証本部と製造現場を結ぶだけでなく、自主的な勉強会などを実施しながら、お客様に喜んでいただける品質をめざして活動しています。
原材料の品質向上
「良い商品は、良い原料からしか生まれない」。それが当社グループの原料についての考え方です。
使用する原料については、製造日などの情報から、原料メーカー様の製造現場における衛生管理まで、さまざまな項目が記載された独自の「原料品質規格書」の提出を受けています。新しい原料を使用する際には、経験を積んだ専門の担当者が必ず原料メーカー様を訪問し、規格書には表れにくい現場の雰囲気や実際の運用状況などを確認しており、その後も定期的に訪問して情報交換を行っています。2010年度は、海外約180社、国内約400社の製造メーカー様を訪問しました。
また、原料品質規格書の内容を電子ファイル化し、その原料が使われている製品や配合の情報、商品のラベルに表示する内容までを統合的に管理するシステムを構築し使用しています。このシステムにより、万が一製品の原料に問題が発生した場合にも、同じ原料がどの製品に使われているかをすばやく特定し、速やかに対応することができるようになっています。
生産システムの高度化
当社グループでは、異なる原料や賞味期限の切れた原料を誤って使ってしまうことがないように、自社開発のFA(ファクトリー・オートメーション)システムを構築し使用しています。
このシステムは、原料の入荷や計量、調理などの各工程において、その都度原料の種類や使用量、賞味期限などについて照合と記録を行うことで、問題の発生を未然に防ぐものです。万が一トラブルが発生した際には記録された情報から迅速に原因を特定できるようになっており、製造時の記録と原料・資材や出荷の情報を組み合わせることで、各工程における製品の履歴情報をたどることができるトレーサビリティの実現にもつながっています。
このFAシステムは、稼働以来トラブルがゼロという実績を評価され、医療分野でも点滴ミスなどのトラブルを未然に防止するシステムとして応用されています。
保管と配送における取り組み
食品の品質を維持するためには温度管理が重要であり、それは輸送においても同様です。
グループの物流の多くを担うキユーソー流通システムでは、「品温、日付、品番・品名、時間、数量」の5つのこだわりをかかげ、食品の特性にあわせた4つの温度帯で商品の保管・配送を行っています。多品種化、少量化により一度に輸送する商品が多岐に渡る中で、まちがいのない輸送をめざし、ISO9001に基づく品質管理や独自の物流システムの構築を進めています。
また、専用のタンクローリーでマヨネーズに使われる植物油を輸送するエスワイプロモーションでは、全部署を横断的にサポートする「こころセンター」を中心に、品質管理と安全輸送の向上や環境に配慮したエコドライブの推進をメインテーマとして、従業員教育や顧客満足度調査を行っています。
食品の輸送は当社グループの事業の一つであり、グループ共通の品質理念のもとで、製造から配送まで一貫した取り組みを進めています。
エリア活動で品質向上を推進
当社グループでは、ユニークな取り組みとしてエリア活動を始めました。事業領域の異なるグループ会社の品質担当者が集まり、お互いの強みを活かし、弱みを補完し合って、グループ全体の品質をエリアの仲間で向上させることを目的とした活動です。
エリア毎に活動することには、集まりやすい、仲間意識を持てる、などの利点があります。さらに、複数事業所が共通の品質課題に一緒に取り組むと、一事業所で成し得るよりも大きな効果を生み出すことを可能にします。結果、近隣に品質を語る仲間が増え、枠を超えた活動が「仕事の仕方」の品質を向上させます。2010年度の活動実績の例としては、五霞エリアで敷地内事業所で一斉に防虫防鼠活動を実施し効果を得たこと、関西エリアで衛生管理点検を相互に実施し、事業領域毎に異なる得意分野をお互いに活かせたことなどが挙げられます。エリア活動で知恵を出し合った品質担当者は、それぞれの製造現場において、さまざまな改善を進めています。
![キユーピーグループ 社会・環境報告書2011[フルレポート]](/csr/common/images/head.gif)


