(これまでの対談)
社長対談2009 ~ 小室淑恵様

1919年の創業以来キユーピーは、「楽業偕悦」の社是のもと、従業員の働く職場環境づくりも大切にしてきました。理想的なワーク&ライフを過ごす第一人者として多くの人から支持を受けている小室淑恵氏は「従業員がいきいきと働いている企業から魅力ある商品は生まれる」と提言しています。その小室氏と当社の鈴木豊が対談しました。
- 鈴木
今回の対談にあたって、小室さんの「6時に帰るチーム術」を読ませていただきました。自分が早く帰らなければいけないから、そのための仕組みを作って残業を無くされたというくだりがあり、制約があることで仕事のやり方自体を考えていくのはその通りだと思いました。ましてやリーダーがそうしていれば、チーム全体が同じようにしなければという雰囲気になりますよね。- 小室
- 私たちが残業時間の削減を提案していく時には「人数を増やしてくれなければ、自分たちだけではどうにもならない」という話が必ず出てきます。他の人に左右される業務が9割だから、相手が変わらなければどうしようもないと言うのです。ですが、実際には自分で何とかできる内的要因が5割以上であるにもかかわらず、「相手の問題だ」と思考停止してしまっていることが多いですね。
- その最大の原因はプレゼン力不足なのです。例えば何度も相手のところに通って説明するというのは「一度で伝えきれていない」ということです。相手を説得するプレゼンのスキルを上げていないので、なかなか成果が出ない。さらにそれを時間でカバーしようとするので、スキルを学びに行く時間がないという悪循環に陥ってしまうのです。
- 鈴木
- 今おっしゃったプレゼンを1回で済ませるには、どのようにしたら良いと考えていますか。
- 小室
それは、相手の課題に対する解決と、導き出される未来を示すことだと思っています。「課題、解決、未来」の形で展開していけばどんな相手も説得できるからです。- 鈴木
- 自分の話を聞いてくれたらどうなるという到達イメージをきちんと示すということですね。そうすることで、相手は説得されるだけでなく、自ら納得するという状態に達するのだと思います。
- 小室
- そうしたことは、きちんと教えてあげればあっという間にできるようになります。さらに個人の時間が充実するようになると、自分のキャリアや仕事の責任を自発的に考えながら学ぶようになるのです。弊社ではそうした時間にお互いの目標を語り合うことが多いのですが、それによって次に自分に必要なスキルは何かということを自然に考えるようになります。
- 鈴木
- 自分の時間を何に費やすのかということを意識させているということですね。それはとても大事なことだと思います。
「3つのわ」でチームとして進化する
- 鈴木
- 今、目標を語り合うという話がありました。私は社内で「3つのわ」ということを言っています。
- 一つ目の「わ」は「わくわく」で、自分の人生をどう作り上げていくかを考えるときに、わくわくするような人生の作り方をしようということです。仕事だけでなく、家族や友人とのかかわりの中で、わくわくしている自分像をイメージすることが起点になります。
- そうしたわくわくを、例えば仕事に置き換えると、一人ではできないこともあります。そこでみんなが互いにやりたいことを持ち寄って、自分のやりたいことを一生懸命に話し合う場を作ります。それが二つ目の「わ」である「わいわい」です。
- この「わいわい」は、積み重ねていくと時に激しいぶつかりあいになることもあります。でもそれを乗り越えて未来が共有されると、三つ目の「わ」である「わかった」に到達するのです。
そうした状態になれば、次に集まるときにお互いに何を持ち寄るか、参加するメンバー一人ひとりが一生懸命考えるようになります。そうやってチームとして進化していく「3つのわ」を作り上げることを今進めています。 - 小室
- 今おっしゃったチームとして進化することはとても重要だと思います。成果主義は本来、時間当たり生産性とチーム全体への貢献度で評価するものです。ですが日本企業の多くではそれが誤解されて、メンバーが一匹狼になってしまうことが多いのです。それも日本で残業が多い理由だと思います。
- 鈴木
- 結果主義=成果主義という勘違いがあるということですね。ある先生が、プロセス+結果=成果とたいへん分かりやすい話をされています。ただ気をつけないと、プロセスを結果から逆算して判断してしまい、短絡的にいい結果が出たからプロセスもよかったはずという評価をしてしまうことがあることです。
- 仕事のプロセスというのはみなで知恵を集めてその仕事が膨らんでいくことです。その中で誰かができなくなったら脱落するのではなく、抜けてしまいそうな時にはみんなで支えていくことが、プロセスの生み出す価値でなくてはならない。プロセスを管理するのではなく、そうした「プロセス価値」を求めていこうと社内で言っています。
![キユーピーグループ 社会・環境報告書2011[フルレポート]](/csr/common/images/head.gif)


